路上には大きく伸びた日常の影が広がっている。
いつまでもアウトラインがゆれている葉の影は明るく、
きらきらと雲母のようなアスファルトが沢山の色をたたえているし、
フェンスは境界線を放棄している。
その間を抜ける宅配便のトラックや、
自転車に乗る婦人と風に飛び去るゴミ屑。
消えてしまうけれど、太陽と土の間には多くの関係性が同時に発生している。
それらの色は常に思いがけず、整理されていなくて、曖昧で、簡単に片付かない。
一見,ちらっと目をやった時に、本当に見たものは何か?
その問いがそのまま絵になります。
山本 晶